ホーローマグの持ち手が熱い。革のカバーを作った理由。
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僕はホーローのマグで飲むコーヒーが好き。つるっとした表面の感じとか、少し道具っぽい佇まいとか。家で使ってもいいし、そのまま外へ持っていってもいい。

持ち手が熱い。そのひとことから
Niceleeでも以前、ホーローマグを販売していました。そのマグを使ってくださっていたお客様から、あるときこんな声をいただきました。
「熱い飲み物を入れると、持ち手も熱くなる」
たしかに。
ホーローは、金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けて作られています。丈夫で、匂いがつきにくく、長く使える。
でもその一方で、熱いコーヒーを入れたときには、持ち手にも熱が伝わることがあります。

だったら、持ち手のところに何か巻けないかな。
それが、この小さな革のカバーを作り始めたきっかけでした。
革にした理由
最初から、革を使おうと思っていたわけじゃありません。
「革の商品を作りたい」
そこから始まったわけではないんです。
持ち手が熱い。じゃあ、どうしたらいいんだろう。
布でもいいかもしれない。別の素材でも作れるかもしれない。
いろいろ考えた中で、手に触れたときの感触や、使い続けたときの変化まで考えて、革で作ってみようと思いました。
そして、作ってくれるところを地元・岡山で探しました。
完成した図面があったわけでもありません。
「こんなものが作れないでしょうか」
そんなところから革工房の職人さんと話をして、試作品を作ってもらいました。
付けてみる。
握ってみる。
ちょっと違う。
また直してもらう。

そんなことを何度か繰り返しながら、今の形に辿り着きました。
小さいけれど、形には理由がある
今の持ち手カバーは、3つのスナップボタンで取り付けます。

マグを洗うときには取り外せて、付けたときには持ち手に沿う。
大きすぎると握りにくい。小さすぎるとうまく包めない。
ほんの小さな革だけど、実際に使いながら形を整えてきました。
現在販売しているカバーは、富士ホーロー製270mlマグカップの持ち手に合わせて作ってあります。ほかのホーローマグすべてに使えるものではありません。
ここは、購入前に確認していただきたいところです。
また、このカバーは熱を完全に遮断するものではありません。熱くなった持ち手へ直接触れにくくするためのものですが、熱い飲み物を入れた直後などは、持ち手の温度を確かめてから使ってください。
使うほど、自分のマグになっていく
革で作ってよかったなと思うのは、ここかもしれません。
新品のときが完成ではないんです。
最初は少し硬かった革が、何度も付けたり外したりしているうちに、少しずつ持ち手の形に馴染んでいく。
色が変わる。
艶が出る。
小さな傷もつく。

そういうものまで含めて、その人が使ってきた時間が革に残っていきます。
きれいなまま使うものではなくて、使った分だけ少しずつ自分のものになっていく。
僕は、そういう道具が好きです。
キャンプじゃなくてもいい。
この持ち手カバーを作った頃のNiceleeは、今よりずっと「アウトドアブランド」でした。でも今は、キャンプだけで使ってほしいとは思っていません。
朝、家でコーヒーを飲むとき。仕事の途中で、少し休むとき。車を停めて、外でコーヒーを淹れるとき。
いつものマグと一緒に、毎日の中で使ってもらえたらと思っています。
ホーローマグの持ち手が熱い。
そんな小さな困りごとから生まれた、小さな革です。
使っているうちに、その小さな革が、なんとなく好きになってくる。
そんなものになったら、うれしいです。